基準は大事だけど、バランスも大事

現代の医学は、科学的な検証の統計（エビデンス）によって成り立っています。

大部分の人が当てはまる「統計」こそが、医学の正しさの根っこでしょう。

たくさんの統計から、正常な範囲を割り出して、その範囲内の状態を「健康（正常）」、その範囲からはみ出した状態を「不健康（異常）」としているわけです。

これにより、私たちは「健康」な状態を知ることができますので、体重や血糖値などの異常を、症状が発症する前に察知・対処する事ができます。

ところが、ここには大きな問題があります。

もちろん基準として「統計」は、間違いなくベストなのですが、あくまで平均的な数字なので、全員に当てはまらないのはご存じの通りです。

その人にはその人の状態に合わせた「バランス」というモノが存在するわけです。

血圧が良い例ですね。

140以上で高血圧だからと言って、薬で数字だけを下げても、逆に体調が悪くなる場合があります。

これは、血圧140という医学的には異常な数字でも、その人にとってはバランスが良い場合です。

年齢をはじめ、元の体格だとか、運動習慣だとかで、その人の理想のバランスは異なります。

それらが、薬の影響で血圧が下がる事により、上手く機能しなくなったというわけです。

自分の身体の事は、ほとんどの場合は「自分自身」が一番知っています。

基準となる数字は、とても大切なのですが、それだけにこだわるのは、かえってバランスを崩すコトにもなる。と私は思います。