原因不明のお腹の症状【過敏性腸症候群の治し方】

【はじめに】

過敏性腸症候群は、一時的に改善させるだけなら施術で簡単にできますが、それだけでは再発しかねません。

改善した状態を維持するには、「なぜ、過敏性腸症候群になったのか？」を患者さん自身が理解し、自律神経の乱れを整えることが必要不可欠です。

リンクを張っておきますので併せてお読みください。
『自律神経を整える一番いい方法』

【過敏性腸症候群（IBS）について】

過敏性腸症候群（IBS）とは、お腹に検査異常が無いにも関わらず慢性的に腹痛が生じたり、下痢や便秘などを繰り返したりする、原因不明のお腹の症状です。

他にも「腹部の膨満感」「お腹が鳴る」「おならがよく出る」などの症状が併発する事もよくあります。

過敏性腸症候群（IBS）は、腸に穴や潰瘍ができているわけではなく、消化や排便の機能が低下している状態なので、緊急を要する症状ではないのですが、その症状はQOL（生活の質）を大きく低下させます。

仕事や学校、外食や交通機関での移動など、生活が困難になる（QOLの低下）ため、症状はもちろんですが生活そのものに悩むことこそ、最大の悩みと言えるでしょう。

【過敏性腸症候群（IBS）のメカニズム】

原因不明といわれている過敏性腸症候群（以下IBS）ですが、そのメカニズムは実は単純で、「脳の過緊張」と「自律神経の働き」にあります。

①何かしらのストレスを感じると、脳の中でアドレナリンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が出てきて、それに応じて感情が高ぶったり、不安になったりして、脳を緊張状態にします。

②脳の緊張は、自律神経の働きによって体に伝達され、身体（IBSの場合、主に胃や腸）に緊張反応として現れます。（※これが「自律神経の乱れが原因」といわれる所以です）

③緊張反応→腸の蠕動運動（収縮運動）に過剰や不足の異常→腸の感覚が敏感に→緊張反応が更に過敏に→蠕動運動が更に異常。の悪循環

④その結果、脳の緊張が亢進され続け、痛みや刺激を感じやすくなる感覚（知覚）過敏の状態になる。

下痢や便秘、ガスの発生、腹痛、吐き気、気持ち悪さなど様々な症状となって身体に現れる。

そして①～④を繰り返すことで、過敏性腸症候群は悪化・慢性化していきます。

【過敏性腸症候群（IBS）の治し方】

過敏性腸症候群は、施術など物理的なアプローチとの相性が非常に良い症状です。

症状が出現している腹部は、施術の手が直接届く範囲ですのでダイレクトにアプローチがおこなえます。

実際、過敏性腸症候群による症状を誘発しているのは、大腸や小腸を構成している平滑筋の過緊張ですので、筋肉を緩めることに関して手技による施術はマッチしていると言えるでしょう。

どの箇所が、どういう具合に緊張しているのか？人によって全く異なるので説明し難いのが歯がゆいですが、そこまで難しくありません。

もちろん、それなりの訓練やコツが必要ですが、素人でもお腹をさするだけで多少は痛みが軽減するくらいの効果は得られます。

最近、過敏性腸症候群でお悩みの方が増えてきましたが、薬を長年服用していても改善しなかった方でも、ほんの数回の施術で症状が軽減・消失しているくらいです。

最後に、冒頭でもお話ししましたが、施術だけでは根治には至りませんので、しっかりと自律神経を整える習慣を身につけましょう。