問題を解決できない原因の多くは「こだわり」にある。その①

カウンセリングにおいて、患者さんが相談してくる内容は実に様々です。

身体の悩みはもちろん、人間関係や仕事関係、金銭面、夫婦間の問題から育児や介護、恋愛相談に至るまで本当に多種多様です。

そういったお悩みの中には、多かれ少なかれ暗礁に乗り上げてしまっている問題があります。

「これ以上どうすればいいのかわからない」「もう私は諦めています」みたいな感じのやつです。

渦中にあるご本人は、問題を解決できない事で切羽詰まっていらっしゃいます。

ところが話を聞いている私はというと、案外そうではありません。

「じゃあ、こうしてみてはいかがでしょうか？」「次はこうしてみましょうか？」

みたいな感じです。

誤解しないで頂きたいのですが、他人事だからと何でも適当に提案しているわけではありません。

「もし、自分が患者さんと同じ境遇にあったとしたら」を想像した上で提案をしています。

であれば、切羽詰まっている患者さんと、こうしてみようかな？くらいに考える自分と、どこが違うんだろう？と考えてみました。

結論。おそらく、違うのは問題に対する自身の「こだわり」です。

人は誰しもアイデンティティーを持っています。

平たく言えば、自分が自分らしく生きるための価値観です。

仕事は真面目にすべきとか、他人には迷惑を掛けてはいけないとか、そういった考え（価値観）のもとで生きています。

患者さんの場合、この価値観が悪く言えば頑固なんですね。

「自分はこうあるべきだ！」という、こだわりが強いと言えるでしょう。

その「こだわり」故に問題の解決策にも「自分らしさ」を曲げる事ができなくなっているのが、暗礁に乗り上げてしまう大きな原因と私は思います。

とは言え、もちろん私にもこだわりはあります。

ただ、それが人間関係や仕事面などの主要な事にではなく、結構どうでもいい事に働いているだけです。

例えば今このブログ書いていますが、既に3時間経過しています…。

言葉へのこだわりが無ければ20分くらいで終わるでしょうが、私のアイデンティティーがそれを許さない…

話しが逸れましたが、要は問題を解決するのが最優先であって、自分らしく解決するのは余裕がある時だけで十分ってことです。

仕事にしてもお金が稼げるなら内容は何だっていいじゃないですか。仕事に貴賤はありませんよ？必ず誰かの役に立っています。

夫婦のどちらが主導権を握っていても良いじゃないですか。ウチは全てにおいて嫁が正解ですよ？嫁が楽しく過ごせるのが一家団欒の秘訣です。

嫌いな相手に譲ったって良いじゃないですか。別に勝っても得なんてありませんよ？そんな相手を諭す義理もありません。

私は、うつ病など色々発症して治って、そういうこだわりが極端に減りました。

人生の優先順位が変わったからだと思います。

なので、問題に対する変なこだわりが、あまりありません。

問題が解決しにくい時は「こうあるべき、こうすべき」というこだわりを捨ててみましょう。