健康の足し算と引き算

健康を保てている時は、何か特別な事をしているという意識はあまり持ちませんが、いざ体調を崩した途端に「何か特別な事をしなくては」と人は思うものです。

例えば睡眠時間や運動量を増やしたり、体調不良を整える食事を摂ったりなんかを思いつくと思います。

健康のために普段意識していない「何か」をすることは良い事なのですが、同時に考えていただきたいことがあります。

それは「何かを引く」ことです。

風邪をひいた時を思い出してみましょう。

お薬を飲む事もあるでしょうが、大抵は何もせずとも休んでいれば症状は治まりますよね？

それは軽い症状であればほとんど同じで、人の体はそれほど優れた治癒力を元来備えているのです。

それが何かしらの影響で衰えている事から、症状は長引いていきます。

「ゆっくりして下さいね」という常套句があります。

あまりに挨拶っぽく言われているので忘れがちですが、実はそれこそ最初にすべき治療です。

お薬や運動、食事、あとは皆さんが思っている「治療」というものの多くは足し算です。

自分に何が足りていないのか？と考える事は、決して悪くはないのですが、足す事ばかりにこだわっていては、肝心の「ゆっくり休む」という意識が抜け落ちてしまいます。

昔ＣＭで「一に休養、二に栄養、三、四がなくて後藤散かぜ薬」というのがありました。

あれは、本当（ガチ）なのです。

どんなお薬も栄養も消化ができて初めて栄養となります。

消化能力が落ちている時には、悪化の要因にもなりえるのです。

運動にしても、長時間の睡眠にしても同じです。

仕事量やスケジュール、食事量、運動量、責任に至るまで、引けるものは沢山あります。

足すことも大事ですが、引くことも同じくらい大事です。

大抵皆さんは健康の足し算は得意です。

引き算もあることを意識すればもっと健康になれるでしょう。

心を乱しやすい自律神経もバランスですから、バランスよく足したり引いたりして下さいね。