鬱やパニックなどの精神疾患で辛い時は仕事を休んだ方が良いのか？

表題はよく患者さんとの話題に上がるので、それについて今回は個人的な意見を述べたいと思います。

結論から言いますが、私個人的には間違いなく一時的な休職を選ぶでしょう。

理由としては『正しい判断』ができなくなるからです。

インフルエンザやコロナに罹ると、否応なしに仕事（家事含む）を休まれるかと思います。

しかし、鬱病やパニック、不眠症や自律神経系の症状などで日常生活に支障が出ている場合はどうでしょうか？

身体的な症状にくらべ精神的な症状は客観視することはできませんし、また本人もその状態を他人に伝えるのが非常に難しいです。

そのため、どうしても本人のやる気や、気の持ち様で『どうにかなる』と周囲には勘違いをされている事が多いです。

ですが実際、経験上どうにもなりません。

鬱病やパニック障害になられている方は、元々それ相応のストレスが溜まっていたという事です。

そのせいで数多くある精神疾患のうち、いくつかが表面化しているに過ぎません。

精神疾患になりやすい人には、真面目や完璧主義、責任感が強いといった性格の人が多いのはよく知られています。

そのため、周りに迷惑を掛けてはいけないと自分を追い込んでしまい、さらに悪化させたり、他の精神疾患まで引き起こす可能性は十分にあります。

その様な状況になってもなお『休んではいけない』と思ってしまっている段階で、先に言った『正しい判断』ができていないのは明らかです。

重ねて言っておきますが、精神疾患の類は我慢や気合でどうにかなるものではありません。

自分が本当は働けない状況にある。という事をしっかりと自覚して、きちんと休養をとる必要が有ります。

症状が悪化すると、もう退職するしかないのでは？といった極端な選択をしがちです。

そのような決断をする前に、まずは治療に専念して体調を整えてみる事です。

症状が軽快することで脳の負担が軽くなり、物の見方や考え方が柔軟になり、冷静な判断を出せることが多くなります。

正しい判断力は、健康あってのものです。

誤った判断では、健康は元より、失ってはいけない他のものまで失いかねません。

ちなみに、仕事に関してで話しましたが、家事や育児も同じです。

焦る気持ちはあるでしょうが、物事には順序があります。

まずは休養が一番ではないでしょうか。