人間万事塞翁が馬

生きていれば、色々な場面で様々な出来事があります。

飛び上がりたくなる程に嬉しい出来事。

立ち上がれない程に悲しい出来事。

何が起きるのかわからないのが人生です。

そして「良い」と思った出来事が「悪い結果に繋がったり、反対に「悪い」と思った出来事が良い結果に繋がったりする事だってあります。

【人間（じんかん）万事（ばんじ）塞翁（さいおう）が馬】と言うことわざがあります。

昔、中国のある城塞にお爺さんが住んでいました。（塞翁：城塞のお爺さん）

ある時、そのお爺さんが飼っていた馬が逃げ出してしまいました。

周りの人々は「爺さん、残念だったな。」と哀れみましたが

お爺さんは「なぁに、悪い事もあれば良い事もその内ある」と前向きでした。

しばらく経ったある日…なんと逃げた馬が沢山の馬を引き連れて帰って来たではありませんか。

周りの人々は「爺さん、良かったな！」と喜んでくれましたが

お爺さんは「この事が凶とでるかもしれないよ」と、言いました。

またしばらく経ったある日…お爺さんの息子が馬から落ちて大怪我をしてしまいました。

周りの人々は「爺さん、ツイてないな。」と同情しましたが

お爺さんは「この事が吉とでるかもしれなよ」と、言いました。

またまたしばらく経ったある日…国で戦争が起き、お爺さんが住む城塞も戦火に巻き込まれてしまいました。

戦争では多くの働き盛りの男性が兵士として招集されます。

お爺さんの息子も招集の対象でしたが、大怪我をしているから兵士にはなれず、戦争に行かずに済みました。

怪我をしたのは不幸でしたが、戦争に行っていれば最悪死んでいたかもしれません。

これが【塞翁が馬】のエピソードです。

人間（じんかん）は、人間（にんげん）と読むのではなく、人生や世の中という意味です。

世の中や人生と言うのは、あらゆる全ての事において、良い事も悪い事もどうなるかわからない。

という教えですね。

私の場合は、警察試験に受かっていたら整体師にはなっていなかったでしょう。

うつ病になっていなければ、患者さんの辛さや本当の意味でのうつ病を理解できなかったでしょう。

もちろん当時は落ち込みました。

しかし、今では整体師で良かったと思いますし、鬱の経験ができて良かったとさえ思います。

悪い事の中にも得るものはあるのです。

捨てる神あれば拾う神あり。禍を転じて福と為す。

人間万事塞翁が馬です。